入り口のポスターもちょっと寒そう。

ようやく試写会の会場である町民文化会館の駐車場に到着。まだ開場までに時間があったのでお茶でも飲もうと一旦車から離れました。しかし初めての町。コンビニは発見したのですがそれらしい店が見当りません。仕方がないのでひと目を気にしつつスマホを取り出すと小声で「OK,Google 近くの喫茶店」とぐぐる先生に教えてもらいました。え?入力すればいいやんって?寒かったので指が震えて打つのが面倒だったのです。笑

先生の指示通りに向かった先がこちらのお店「洋食と珈琲塔FIVE」さん。あとから知ったのですがエビフライがとても有名なお店だったのですね。ここで昼食をとればよかった…と悔やまれます。落ち着いた雰囲気で店員さんも感じがよく、素敵なお店でした。ロケ地巡りをされる方にもオススメです。美味しい珈琲ごちそうさまでした。

お店でいただいたパンフ。ガラステーブルの下は珈琲豆が。

さて。そろそろ時間なので文化会館に戻ります。入り口が「町外」と「町内」に分かれています。にこやかに挨拶を交わしながら列に並ぶ地元の方の隣の列で開場を待ちました。実は試写会というものに参加するのも初めてなのですが、会場を待つお客さん(自分たちも含め)のソワソワした感じが映画の試写会というよりは「ピアノの発表会や文化祭を楽しみにやって来た家族や幼馴染のお父さんお母さん」な雰囲気でとても面白かったです。

入り口はこんな感じでした。

いよいよ開場です。パンフレットを受け取り中に入ると椅子の背には「○○町」「〇〇市」「✕✕交通」「△△」と張り紙が。関係者協力者らしき席と、町内の方の席と、応募で来られた方の席と分けてあったのでさほどの混乱もなく着席。板張りのステージと幕、音響室らしき窓と壁の感じが古里の市民会館の作りとそっくりで安心感を覚えます。合唱コンクールの会場みたいだなぁと思いつつのんびり待ちました。舞台挨拶が先かと思っていたのですが、司会者の方の簡単な挨拶のあと静かに映画が始まります。

いよいよ着席。

それはとても不思議な空間でした。

映画館と違い文化会館ですので、完全暗転というわけにはいきません。薄明かりで客席や会場内の様子をうかがい知る事ができます。その為か座ってスクリーンを見つめていても客席の反応が手に取るようにわかるのです。場面が切り替わるごと、新しい場所が登場するごと、あちらこちらでふわっと柔らかい空気が立ち上がるのがみえました。

「あ。あの場所」「あの店、私もよく行く」「ああ…あの角のとこだ」「あの人!」勿論声が聞こえるわけではありません。しかし場面ごとにざわざわする感じがとても楽しくて。あの衝撃的な場面さえ「ふっ」と笑みを漏らして肩を揺らした方が居て、それは実は私の前の席の方だったのですけれど、思わず座席の後ろのお名前を確認してしまいました。

その後の南伊勢町長、志摩市長、三重県知事含めたトークセッションの中で監督が「地域振興のお手伝いになれたかどうかわかりませんが」と仰ったのが少し気になっています。『ロケ地巡礼で観光客増』『○○効果で収益大』という見出しはキャッチーでひと目を引きますからニュースになるのも理解できますが、そんな目先の算盤勘定はまったく重要ではないということが客席にいてわかりました。

海、山、町…普段見慣れた風景が、大きなスクリーンの中に眩しい光と美しい音楽で彩られ現れた時の感動と、嬉しそうな、そして誇らしげな観客の顔。「なんや、ええとこやん。あしたもがんばろ」多くのお客さんがそう感じて席を立ったに違いありません。そして恐らく、今住む私たちのこの風景が、この映画の中に存在したまま後世に残るのです。それがなんて素敵で奇跡的なことか。

その映画のロケ地で、そこに住む人たちと一緒になって完成した映画を観る。そんな経験はもう二度とないと思います。とても幸せな時間でした。

かなり長くなりましたがもう少しだけ、つづきます

映画『半世界』公式サイト

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