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本日より敷地内終日禁煙となります

八千代の話題

本日はご説明とお願いです。八千代は2019年4月1日より館内終日禁煙といたします。唐突に感じられる方や、今までご利用いただいていた愛煙家の方にはご不快に思われる方もいらっしゃると思います。今回の決断に至った経緯をまずご説明申し上げます。

ご存知の通り 2018年7月「健康増進法」の一部を改正する法律が成立し、来年2020年4月1日より全面施行されることになりました。この法律は望まない受動喫煙の防止を図ることを目的とし、公共性の高い施設に関しては、その区分に応じて細かく対応が定められています。

弊館は元々料理屋として開業いたしました。ですので地元の方には「旅館もやってるの?泊まれるの?」などと驚かれたりすることもあるのですが現在は旅館業を主としてやっております。この法律では第二種施設のホテル・旅館に該当します。原則敷地内禁煙、宴会場や会議室、ロビーなどの公共の場ではタバコを吸うことはできません。但し、【旅館・ホテルの客室等、人の居住の用に供する場合は適用除外とする】という規定もあります。さあ、ここが判断に苦慮するところです。

この除外規定によりホテルでは喫煙可能な客室を設定できることになります。ところが旅館は少し事情が異なります。ホテルになくて旅館にあるもの、それは「お部屋出し」です。ホテルの客室にはベッドがしつらえているためお食事処としての機能はありません。ところが旅館は布団の利用によってその客室を「お寝間」としても「お食事処」としても利用できます。この「客室利用の柔軟さ」は旅館のひとつの強みでもありますが、このフレシキブルさを活かすためには木造2階建ての弊館では「喫煙室」を設けるのがむつかしいのです。

日本の建物は基本的には木と紙と土でできています。風通しがよく、建物自体が呼吸をしています。四季があり湿気の多い日本の気候に適した昔ながらの日本建築は、逆に気密性には優れておりません。つまり、「煙」が漏れてしまうのです。同じフロアのある一室を喫煙室と設定することは不可能に近いです。実際、お一人でも煙草を吸われていると館内全体に煙が回ってきます。

ならば法律に定められた規定の喫煙室を新たに作ればよいのですが、敷地内に新たに設置する余裕はありません。また、弊館は平成28年に国登録有形文化財の指定を受けています。文化財としての価値を損なわない程度で改修や修繕は認められてはいますが、できれば現状のまま後世に残していきたいと考えています。

それに加えて、松阪市は特定の箇所を「路上喫煙禁止区域」に定めておりまして、弊館の前の通りがその禁止区域に当たります。玄関先に喫煙コーナーを設けてこちらでどうぞ、というわけにはいかないのです。

長々と書いてまいりましたが

  1. 建物の構造上喫煙室の設定がむつかしいこと
  2. 国登録有形文化財指定を受けていて、このままの形で残したいこと
  3. 目前の道路が松阪市の「路上喫煙禁止区域」に指定されていること

以上の理由により終日、敷地内全面禁煙とすることにいたしました。また、従業員の健康管理の点も鑑みまして、来年の施行に先立ちまして2019年の4月1日より実施いたします。

ご不自由をおかけする場合があると存じますが、何卒ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

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