食いもの屋の「まかない」は貧相な時とそうでない時の差がはげしい。繁忙期は週三回ペースでカレーなんて当たり前。練り製品と焼きピーマン2ケなんて日もある。しかし、運がよければ旬の素材を堂々と”合法”的に味見できる。
写真は北海道のホンマス(本鱒)。北海道産魚介の食べごろカレンダーによると、道産ホンマスの旬は5~7月。まさにいまが最盛期だ。焼物のヘタ(切れっ端)を集めての試食会。自生のサンショウの葉を手摘みして木の芽酢をこしらえた。これにマスの身を浸すように食するとたいへん旨い。強烈な味わいや刺激的なフレーバーは望むべくもないが「普通」に美味しい。
この「普通さ」の演出の出来、不出来こそが、食いもの屋とシロウト料理人との境だとぼくは考える。
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