毎年本居宣長に関係するテーマをひとつ挙げ、それに沿って
一年間に10回、専門家を招き講義を開く「宣長十講」。
今年で20年目になります。
今年のテーマは「宣長と古典」。
去る16日、松阪公民館にて、講師に斎宮歴史博物館の
榎村寛之文学博士を招き「宣長と古典-もののあはれの
前提として-」というテーマで開催されました。
☆☆☆
「伊勢物語」「源氏物語」などの王朝物語は当時どのように
読まれていたか。
限られた人がまわし読みしていたいわば『同人誌』のような
もの。面白いから続きを書いてと請われて書き重ねられ、
サイドストーリー今で言うところのスピンオフが作られていった。
『同人誌』は時代が変わると中身がわからなくなる。
徳川美術館の「源氏物語絵巻」も源氏の時代から100年以上
たっており、明治時代のものを現代の風俗で書いてあるような
もので実際そのような装束だったかはわからない。
☆☆☆
というお話から始まりました。
レジュメに書き込みをしながら聞いていたのですが、書き込む
手が間に合わないほどの濃い内容であっという間に時間が
過ぎていきました。
前回、斎宮を訪れた時の展示物のなかに江戸時代に書かれた
絵巻物があり、女性の衣装が十二単ではなく、普通の着物姿
だったのを興味深く眺めたことを思い出しました。
次のテーマは「『古事記伝』の漢籍」です。
今年のテーマ及び過去のテーマは本居宣長記念館のHPで
確認できます。テキスト料だけで聞くことができます。
全十回分で千円。試しにということであれば一回分
の料金で参加できるそうです。
斎宮歴史博物館HPでは今回講演していただいた榎村博士が
書かれた「斎宮百話」「斎宮千話一話」というコンテンツがあり
ます。王朝文学がお好きな方は是非覗いてみてください。
大変面白いお話がいっぱいです。
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